commer & zima gallery&cafe
設計する時、どれだけこの場所の歴史性や潜在性を受け止めて、“さりげなく”デザインできるかをいつも考える。
奇をてらうのではなく、そこにある等身大の“場”を表現してイマジネーションを膨らませるように考えている。
『commer&zima』はオフィス街の中にある古いビルの1階にある。
14坪たらずのこの店は、細長く、奥にいくほど広くなる台形の平面をもつ。
この条件からも配置計画は奥に厨房を、そして客席はベンチ席のみの計画とした。
写真のギャラリーをも兼ねる意味合いから、“さりげなく”デザインし、
傾向の異なる作品に対応することも考慮して素材感の異なる“壁”を用意した。
すなわち、『白い壁』と『既存のバラ板の型枠で造られた粗いコンクリートの壁』。
その“2つの壁”は、互いに緊張しあい、この極小空間を無限の調和とパワーを与えている。
白く明るく発光する壁。
凛と存在感のある壁。
それは作品を架けることによりのみ成り立つ意味ある関係。
この空間はあまり多くは語らない!
作品が、多くを語り、この空間に色とイマジネーションを与えていってくれるであろう。